海の色は、何色ですか? という質問をされた場合、「青色」と答えるのが普通でしょう。
では、なぜ海の色は、青いのでしょうか?
この図は、光の波長と海水の吸収係数(a)や散乱係数(b)を表しています(Robinson, 1983)。
波長と色の関係は、こちらを見てください。吸収係数(a)は、値が大きいほど吸収が強くなります。海水は青い光(400nmあたり)をほとんど吸収せず、赤から赤外線(600nm以上)と波長が長くなるにしたがって強く吸収します。一方、散乱係数(b)は、値が大きくなるほど、光の散乱が強くなります。海水は、波長の短い青い光ほど強く散乱させ、赤い光をあまり散乱させません。太陽光(白色光)が海中に入った場合、赤い光ほど吸収されやすく、また散乱されない(反射されない)ので海面に戻ってきませんが、青い光はその逆で吸収されにくく、散乱されやすいため、海面の方向にも戻ってきます。
海から出てくる光はほとんど青色の光なので、海の色は青く見えます。